マイマイ計画

学びの場づくり(教育活動)

身近な自然と、自然なかたちで出会い、ふれあえるような場づくりを目指して

「教育」という言葉にしっくりこない思いもありながら、さまざまな学びの場づくりに関わっています。

 根底には、既存の学校に合う合わないに関わらず、誰にでも多様な学びの機会があってほしいという想いがあります。

 

 私の理想のあり方は、子どもたちに紛れて、ただ共に過ごす人になることです。
 多様な子どもたち・おとなたちのなかで、 私も一人の人として過ごし、私自身が自然に触れ、楽しみ、遊び、調べ、作り、学んでいく。
 すると、そばで過ごす子どもたちが、興味をもち、近づき、感じ、関わり、自分のものにして(appropriation)、やがて脱線する

 

 そのことで、遊びや文化を伝承するように、あるいは波紋が広がるように、何かが伝わっていく。
 そんなあり方が理想です。
 だから、呼ばれ方も「先生」よりは 「のじー」「のじーさん」の方がうれしいです。

 

 

ワークショップ/自然教室/講師活動での実施テーマ

定番の造形ワークショップとしては、「自然素材のへんてこモンスター」があります。

オリジナルの木のねんどに、木の実や貝殻、草の種などの自然素材をくっつけて、へんてこなモンスターをつくるものです。(詳細はこちら

そのほか、以下に実施したことのあるテーマを羅列しています。

以下はあくまで一例です。これからも、新しい企画が生まれ続けますし、その日の生物、天候、人の状況によって変化します。
また、テーマはあくまで入口であり、小さな脱線をしながらその場その場で内容は変化します

 

テーマ例1)さがす

生きもの探し、冬越しする生き物、森の危険探し、うずまきを探そう、「まだ冬」と「もう春」、「めくって」見つける、池の生きもの、田んぼの生きもの(トンボとヤゴ)、カニ釣り、カニ探し、きのこ探し、かたつむり探し、テントウムシ探し、バッタ探し、虫の鳴き声、貝殻探し、海岸の漂着物、コケ、地衣類、双眼鏡を使う、アカガエルの卵、水生生物を調べる、春の七草、ツクシの観察、実と種、マイクロプラスチック、鉱物採集、夜のコウモリたんけん、コケの中のクマムシさがし、など。

テーマ例2)つくる

ツバキの種の笛づくり、つるでかご編み、ジュズダマブレスレット作り、マラカス作り、葉脈標本づくり、押し花づくり、草木染め、石磨き、葉っぱでちぎり絵、草笛、ツバキで油を絞る&川エビを炒めて食べる、海水から塩づくり、どんぐりコーヒーづくり、野草茶づくり、スベリヒユを食べよう、タンポポコーヒー作り、ビオトープづくりプロジェクトなど。

テーマ例3)そうぞうする

木のねんどと自然素材のヘンテコモンスター、生きものボードゲーム作りプロジェクト、こびとはどこにいた?(マクロ写真の撮影場所を当てるゲーム)、写真詩づくり、ヘンテコ俳句づくり、ロックバランシング、石当てゲーム(石に名付けて、目隠しで名前を当てる)、など。

テーマ例4)きく、みる、はなす

カタツムリ講座、コウモリ講座、哲学対話、身近な生きものの飼い方、論文を読んでみよう、植物色素、ペーパークロマトグラフィー、煮干しの解剖、フィールドサイン講座、視覚、生態系、栄養、遺伝子、進化、野島の子ども時代、など。

そのほか

詩人の夏野雨さん、デザイナーの中川たくまさんとのコラボで行った詩のワークショップ「ことばとことばをつなげて詩をつくろう」夏野雨さんのnote)や、
木楽家の薦田雄一さん、音楽スタジオ Green chordの福田亮祐さんとコラボした「モンスター風カスタネットづくり」などの、コラボ企画もあります。

実施会場

大都市でも、森の中でも、呼んでいただければ、こどもたちに紛れて自然と遊ぶことができます。

遠くの大きな自然もときには良いですが、ふだんの暮らしの場で、小さな自然と出会うことには大きな価値があると考えています。

 

費用をいただくことについて

 子どもたちには、日常の遊びの中で、自由に、ありのままに自然とふれあってほしい──そんな思いを持っています。

 現代は、遊ぶ「時間」「空間」「仲間」という3つの「間」がなくなっていると言われます。
 日常的に、自由に遊ぶことがむずかしくなっている子どもたちにとって、自然との出会いは、とても貴重なものになっています。

 

 そんな中で、自然とのふれあいにお金が介在してしまうと、「遊ぶこと」にさえ経済的な格差が生まれてしまいます。
 だから私は、子どもたちからお金をとりたくないというのが本音です。

 

 実際、2011年から2020年までは、自宅のガレージで「こうもりあそびば(こうもり広場)」という、子どもがふらっと立ち寄れる無償の遊び場を開いていました。(写真)
 いまも私の活動の原点は、そこにあります。

 

 けれど、転居や家族が増えたこともあり、現在はそのような場を開くことができていません。
 また、執筆や講演活動だけで安定した収入を得るには、まだ時間がかかりそうです。

 家族との暮らしを守りながら活動を続けていくには、どうしても、すべてを無償というわけにはいきません。
 そのため、多くの場合、子どもを対象とした活動でも、主催者の方から講師料をいただいたり、あるいは参加費を設定したりしています。(すみません)

 

 それでも、有償であっても「その子の日常の遊びがもっと豊かになるように」という視点は、いつも忘れずに活動を組み立てています。

 そして、いつかまた無償の場をつくれたら──という思いも、ずっと持ち続けています。
 これからも、その時々の自分にできる形を、ていねいに模索していきたいと思っています。

 

2025年現在、野島が継続的に活動している場

NPO法人産の森学舎

糸島市二丈福井にあるちいさな学校(フリースクール)。2017年度から「しぜん授業」を担当しています。
現在は小学部、中学部で授業を担当するほか、子どもたちとビオトープづくりをしたり地域の自然を調べたりする「佐波いきもの調査隊」などもしています。

おとなとこどもの学校tetocoto

こちらも糸島市二丈福井にある「つくる」をテーマにした、ちいさなオルタナティブスクール。
2023年度からスタッフとして関わり、古い旅館を改装した校舎で、子どもたちとともに自然を探求しています。

九大伊都蔦屋書店内
こどもまなぶベース

九大伊都蔦屋書店内の一角で行われている、ゆるいワークショップの場。 ロボット、プログラミング、工作、そろばんなど、さまざまなテーマで実施され、「遊びと学びが混じりあう場所」「地域が子どもを主語にどんどん繋がる場所」というコンセプト。
マイマイ計画もお声がけいただき、屋内で実験的に自然に関わるゆるゆるワークショップをさせていただいています。

そのほか
飛鳥未来きずな高等学校では、理科(生物基礎、科学と人間生活)を担当しています。
筑紫女学園大学では、生涯学習概論を担当しています。